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2024.02.07 Wed

【オキナワ担い手未来レポート】Chapter.7 デザインとはどういった術なのか

講師:内間安彦(アートディレクター、グラフィックデザイナー)
日時:2023年10月14日(土)14:0017:00
場所: 沖縄県立図書館 3階ホール

  

 第7回のテーマは「デザインとはどういった術なのか」。講師はデザイナーの内間安彦氏。
 内間氏は企業のTVCMやポスター、ロゴマーク制作など、幅広いデザインの現場で、デザイナーやアートディレクターとして多くのプロジェクトを手掛けてきた方だ。
 第1部の講義では、アートとデザインの違いとは?デザインの仕事とは?などについてお話下さった。“今後、皆さんがアートプロジェクトを手掛ける立場になったら”と前置きして、内間氏。「1番重要な要素は“柔軟性”だと思う」と穏やかに語り、この柔軟性の中にも、吸収・反発する“弾性”と、どんなモノにも合わせられる“塑性”がある事を紹介。「デザインの仕事の基本は、人と人の間に入ってつなぐこと。だから “塑性”の面が強い」と述べ、案件によって流動的に人と人を組み合わせてつなぐことがデザインの仕事に求められる重要な要素だと語った。



 内間氏が“デザイン=人をつなぐこと”を実感したのが、不妊治療の為の施設「空の森クリニック」設立のプロジェクトに土地探しから携わったことがきっかけだったという。「空の森での1番の成果は、人と人の間をつないだということ。それだけで十分だったと思う」と当時を振り返り、総合プロデューサーにグラフィックデザイナーの佐藤卓氏を、建築設計に手塚貴晴・由比ご夫妻を、アートワークにアーティストの黒塚直子氏を迎え、幾度となく対話を重ねたそう。一方で、これだけの人材を集めてもしっかりとコンセプトを守りながら、デザインを根幹とした高度な医療施設を地域に創出できたことに大きな手応えを感じたそうだ。
 

 
 
 

 一呼吸おいて、内間氏からのお題「好きなデザインについて」各受講生が発表を行なった他、第2部では作品づくりにも挑戦。内間氏が用意したオノマトペから一つ選び、言葉のイメージを形にして発表・鑑賞し合った。


 
 最後に内間氏から受講生へ。「デザインは今ある課題を解決する術。人と人、人と地域、地域と事業など、様々な“間”を取り持つ柔軟性を養って、Happyに広がり、つながり続けるようなモノ・コトが沖縄に増えていったら良いなって。次はぜひ、其々の現場で皆さんとお会いできたら嬉しい」とことばを送った。
 内間さんは当日、ご自身が手がけたデザインを多数持参、展示して下さった。その作品たちを介して、内間氏と受講生の間に自然に会話が生まれ、瞬時につながりが生まれていた。やはり。デザインの力は人と人をつなぐのだ。

 第8回は1028日(土)。講師は八巻真哉さん。テーマは「アートプロジェクトのディレクションと運営」です。

(執筆:具志堅 梢)

講師:内間 安彦(アートディレクター、グラフィックデザイナー)
沖縄県出身。東京造形大学造形学部デザイン学科卒業。TVCM、R-CM、新聞広告、ポスター、パッケージ、WEBデザインなど広告の仕事の傍ら「廃品」を素材にした立体、平面、映像、インスタレーション作品を制作。デザインと広告とアートの間を行き来しつつ、それぞれの関係性を模索しながら、その「間」をつなぐ作業を続けています。デザインUNIT「間Creartive Inc」代表 /「廃品回生計画」主宰 株式会社サン・エージェンシー クリエイティブスーパーバイザー / 沖展デザイン部門会員 / 公益社団法人 日本グラフィックデザイナー協会 JAGDA 沖縄地区 代表幹事

「オキナワ担い手未来―アーツプロジェクトを実践する人たちを育てる―」とは?

 沖縄アーツカウンシルでは、これからの時代の文化芸術の担い手を発掘、育成することを目的とした「オキナワ担い手未来」に取り組んでいきます。
 令和5年度は次代の担い手を対象に、それぞれの活動の推進力強化や創造活動の課題解決に役立つノウハウを文化芸術支援等の専門家による講座から学ぶとともに、その学びを生かして受講生各自の課題解決戦略を考え、提案していく、沖縄文化芸術の未来を担う人材を育成するプログラムとして実施します。
 プロジェクトを行うということは、関係性を生み出し、新たな刺激を与え、これからの流れをつくり出すことです。本プログラムでは、すでにクリエイティブな仕事や活動をしている方、まちづくりやプロジェクトを実施したい方、プロジェクトを一から作ってみたい方に向け、実践者を培う“場”としていきます。

~これまでのレポート~
■プログラム概要
■Chapter.1 文化芸術の価値とは何か
|講師:中村美亜(九州大学大学院 芸術工学研究院教授)
■Chapter.2 自己組織化できるチームづくりを考える|講師:橋本正徳(株式会社ヌーラボ)  
■Chapter.3 「地域芸能」から考える地域の未来|講師:呉屋淳子(沖縄県立芸術大学 准教授)
■Chapter.4 地域のコニュニケーションをデザインする|講師:紫牟田伸子(編集家/プロジェクトエディター /デザインプロデューサー)
■Chapter.5 文化芸術に事業性を持たせるために|講師:小田嶋Alex太輔(EDGEof INNOVATION LLC, CEO
■Chapter.6 オルタナティブスペースの運営と取り組み|講師:阪田 清子(美術家/沖縄県立芸術大学美術工芸学部准教授)

【本ページに関するお問い合わせ】
公益財団法人沖縄県文化振興会
沖縄アーツカウンシル「オキナワ担い手未来」担当
TEL:098-987-0926 
E-mail:info-ninaite@okicul-pr.jp

主催:公益財団法人沖縄県文化振興会 (沖縄県受託事業「令和5年度沖縄文化芸術の創造発信支援事業」)