(1) 文化芸術団体等の組織力向上・基盤強化に資する取り組み
次世代と考える身体的・心理的に安心できる創作環境の提案と実施
沖縄県内の高校生との作品づくりをとおして、安全な創作環境とは何かを考え、身体的・心理的に安心できる創作環境の提案と実施に取り組む。外部講師によるワークショップとハラスメント講習会の実施や、リサーチをもとにした舞台の制作・発表のほか、活動の認知度向上のためのドキュメンタリー映像の制作に取り組む。
採択年度:令和6年度
沖縄芝居における大道具製作の技能伝承
継承の危機にある沖縄芝居の大道具(舞台セット)製作者養成に向けた環境づくりをめざし、第一人者である新城喜一氏・榮徳氏兄弟の技能伝承に取り組む。指導風景の撮影・記録をするほか、スキャンデータによる大道具帳原画の保存、背景幕の写真撮影を行い、それぞれ冊子にまとめ発行する。
採択年度:令和5、6年度
(2) 文化芸術を次代に引き継ぐ新たな創造発信を伴う取り組み
島に根付く文化芸術の継承に向けたアートワークショップ事業
宮古島内外のアーティストや有識者を招き、アーティストインレジデンスや展覧会、島の文化芸術をめぐる対話の場など、地域文化や多様な価値観を体感・体験する機会を創出する。宮古島で培われてきた文化芸術に触れる多角的な切り口でのプログラムを展開することで、市民とアートとの多様な関わりをつくることをめざす。
採択年度:令和6年度
クラシックでしまくとぅばワークショップ事業
「沖縄らしいクラシック音楽の語り口」を探求する本事業。ワークショップの実施のほか、その内容を言語化し多くの人と共有するためのフォーラムの開催やパンフレットの制作、受講者の声のアーカイブ化に取り組む。教育機関との連携を探りながら、実演家が自らの演奏や表現に活かせるような気づきの場を継続的に生み出すための事業展開をめざす。
採択年度:令和4、5、6年度
沖縄ファミリーヒストリープロジェクト
沖縄から移民した世界のウチナーンチュの歴史や文化、生活史的背景を学ぶ機会を創出することで、沖縄における文化の重要性を県内で啓発し、国際理解・異文化理解につなげることをめざす。ファミリーヒストリー(家族の歴史)を軸に、移民関係者へのヒアリングや、ロールプレイ的に移民を疑似体験できるワークショップの開発に取り組む。
採択年度:令和6年度
琉球漆器螺鈿伝統技術を若者へ広げるための「Gateway作品」試作事業
螺鈿をはじめとする琉球漆器の伝統技術を継承し、現代の生活様式や価値観、美意識、ニーズに対応する新たな琉球漆器のあり方を提案する。他業種との連携や新技術の開発、デジタル技術の導入に取り組むなど「Gateway(入口)作品」を製作。アーティスト同士の分野を越えた交流の場を創出し、次世代へと引き継ぎ、琉球漆器の発展をめざす。
採択年度:令和6年度
仲尾次豊年踊り次世代継承のためのWeb発信事業
130年以上の歴史を誇る名護市仲尾次の豊年踊りを次世代へ継承するための第一歩として、若い世代に向けたWeb発信に取り組む。豊年踊りの歴史や演目の解説などを体系的にまとめたウェブサイトの立ち上げとショート動画の発信を行うほか、歌や台詞の和訳と映像への字幕付与によって、より深い理解へとつなげる方法を模索する。
採択年度:令和6年度
(3) 文化芸術を通じて地域の諸課題解決や活性化の促進等に寄与する取り組み
崎枝地域の歴史を記録した本と写真を活用した後世に継ぐための環境整備事業
石垣島崎枝地域で自由移民としての入植がはじまってから75周年を迎えることを受け、記念本「崎枝回顧録」と写真集「ふるさとの記憶」を発刊する。それらを活用して、崎枝地域の関係者や地元出身者の講演会・交流会を開催することで、移住者を含む地域住民が改めて崎枝地域のことを知り、後世につないでいくための環境づくりをめざす。
採択年度:令和6年度
飲食店と学ぶ、沖縄・琉球の豚食文化
沖縄の人々が古くから育んできた豚食文化。豚と密接に関わっていた伝統的な暮らしの知恵や風習、捨てる部位なく食すための調理・保存技術の継承をめざし、飲食店が担い手として学び、発信するための取り組みを展開する。勉強会や地域への聞き取り調査、“わーくるし”の実践・記録を、地元住民や博物館等の教育機関を巻き込みながら実施する。
採択年度:令和6年度
「戦争体験の継承」平和劇ロングラン公演プロジェクト
戦争体験者の高齢化が進み、今後の平和学習のあり方が問われるなかで、一過性ではなく継続的な学習の機会を提供するため、3カ月にわたる「平和劇ロングラン公演」を開催する。戦争体験者の証言をもとに創作し、出演者向けの勉強会をあわせて実施することで知識を深めながら、沖縄戦を語り継ぐ手法、または選択肢としての定着をめざす。
採択年度:令和6年度
「Uni-q(ゆにーく)」演劇プロジェクト vol.2 ~Uni-q きょーげん(狂言)~
福祉団体とアーティストが協働し、障害を持つ参加者が、特性を活かした舞台表現に挑戦する。狂言の要素を取り入れた舞台作品の創作・発表を行うほか、サポーター人材育成講座を実施。舞台芸術を軸に障害福祉について知識を深める場となり、ケアする側、ケアされる側を超えた関係性をつくる。
採択年度:令和5、6年度
沖縄・アジア平和音楽祭2025 ~文化交流を通じた国際共生を目指して~
県内の観光・教育分野や国際交流機関、開催地の事業者らと協力し「沖縄・アジア平和音楽祭」を実施する。沖縄の伝統音楽やポピュラー音楽を発信するとともに、東アジアのアーティストとの交流を通じて、沖縄からアジアの平和・共生のメッセージを伝える。また、アーティストや参加者らと沖縄戦や基地問題等について学び合うスタディツアーを企画する。
採択年度:令和6年度
琉球弧の「みき」継承プロジェクト
米や麦、粟などから作られる飲み物「みき」は沖縄県内および奄美群島で受け継がれ、地域の祭祀とも密接に関わってきた。本事業では「みき」の文化的・歴史的価値の継承・普及・発信に取り組む。教育・研究機関と連携し、サンプリング調査や聞き取り取材、意見交換を行い、その記録をホームページや小冊子、パネル展示をとおして発信する。
採択年度:令和6年度
(1) 文化芸術団体等の組織力向上・基盤強化に資する取り組み
アーティストの労働環境を整えるための実践講座
沖縄県のアートワーカーが置かれている環境の改善をめざし、契約に対する認識不足やハラスメント問題など、業界が抱える課題に向き合うための連続的な講座・ワークショップを開催する。また、参加者への個別インタビューをアーカイブとしてまとめることで、一人一人の行動変容を促し、社会の意識変革に向けた実績を積み重ねる。
採択年度:令和6年度
(2) 文化芸術を次代に引き継ぐ新たな創造発信を伴う取り組み
ステップアップ!With Art うらそえ
浦添市内で「場」「モノ」「人」が横断的につながるアート活動を模索し、人々がアートを日常に取り入れるきっかけづくりや、様々な表現活動の拡充をめざす。野外(浦添グスク)でのアート活動、市内各所でのアートマルシェ、市内外のアーティストによる個展を浦添市美術館で実施するほか、地域におけるアート活動の先進地を視察し、事業の発展と地域創造につなげる。
採択年度:令和5、6年度
「琉球の薬草を楽しむ暮らし」推進事業
祭祀や旧暦行事と密接に関わり、沖縄の家庭や地域で伝承されてきた薬草文化。県民の認識度のリサーチ調査を踏まえ、有識者へのヒアリングをとおして、琉球薬草の歴史や伝統的価値を紐解く。収集した情報はSNSやシンポジウムで発信し、薬草を身近に楽しみながら暮らしに取り入れる方法を伝えるための場づくりと、コミュニティーの形成に取り組む。
採択年度:令和6年度
(3) 文化芸術を通じて地域の諸課題解決や活性化の促進等に寄与する取り組み
個人的な体験から沖縄を表現する新たな言葉を獲得するための市民活動
個人的な体験から“沖縄”を語るコラムの執筆活動のなかで見えてきた、様々な社会的背景により、沖縄について積極的に語る若者が少ないという課題の解決をめざす。言葉の多様性を広げるため、沖縄を表現するアーティストを講師に招いたワークショップを実施するほか、さらなる活動の拡充に向けてトークイベントを開催する。
採択年度:令和6年度
(1) 文化芸術団体等の組織力向上・基盤強化に資する取り組み
多良間島と沖縄本島を八月踊りの芸能で繋ぐことで人材育成を図る
多良間島の八月踊りの獅子舞を継承する「獅子座」のメンバーを招聘し、本島在住の「金丸獅子」のメンバーが技術・知識を学ぶ機会を創出する。また、獅子舞や八月踊りの歴史に関する聞き取り調査を行うほか、獅子頭の記録とレプリカの製作を行うことで現地メンバーとの演舞での共演を容易化し、長期的な交流の促進につなげる。
採択年度:令和6年度
(2) 文化芸術を次代に引き継ぐ新たな創造発信を伴う取り組み
海外レジデンスプログラムを通して共同企画を育み文化交流を促す
ポーランドのBWAヴロツワフ現代美術館とニューホライズン国際映画祭にレジデンス参加し、現地での歴史調査や様々な機関との協働によるプロジェクトの開発を行う。帰国後には報告会や講座、ポートフォリオレビューといった県内従事者らとの共有・対話の場を設け、担い手の育成と継続した活動を育む環境づくりに取り組む。
採択年度:令和6年度
メタバースを活用した、沖縄の魅力及び県内アーティスト活動の発信
インターネット上の3次元仮想空間「メタバース」にバーチャルライブハウスを設置し、世界に向けて県内アーティストのライブ活動を発信するとともに、県外アーティストとの共演や交流の機会を創出する。失われた沖縄の風景を仮想空間上に再現するなど新しい表現空間のあり方を模索し、メタバースならではの沖縄の魅力体験を実験的に提供する。
採択年度:令和6年度
(3) 文化芸術を通じて地域の諸課題解決や活性化の促進等に寄与する取り組み
対話型アート鑑賞でつむぐ人とアートの可能性
対話型アート鑑賞法を用いて、子どもの豊かなコミュニケーションの育成や、親子や夫婦、外国人移住者・県外移住者と沖縄県民のそれぞれの関係性における対話の土台づくりのためのワークショップを実施する。また、沖縄に所縁のあるアーティストの作品を鑑賞し、作品に内在する沖縄ならではの思想や思考、歴史、文化に触れる機会を創出する。
採択年度:令和6年度
クロスミャーク 宮古島の祭祀写真展ー禅僧・岡本恵昭が撮った宮古
宮古島・祥雲寺の住職であり民俗学者の故 岡本恵昭氏がかつて撮影した、島の祭祀を記録した写真展を開催するほか、有識者や集落の人々を交えたシンポジウムを実施する。岡本氏の写真を孫にあたる新城氏が芸術家の視点で解釈し「芸術表現」として公開することで、多様な人々が島の根源にある精神文化を知り、文化を再考する機会を創出する。
採択年度:令和6年度
マインクラフトで沖縄の歴史的建造物と未来都市の融合を子どもたちと考える
仮想空間での建築・まちづくりができるゲーム「Minecraft(マインクラフト)」を用いて、沖縄の歴史的建造物と未来都市を創作する子ども向けの講座と集大成としての大会を開催する。講座をとおした学びのなかで、子どもたちが沖縄の歴史的建造物への関心を高め、まちづくりとの融合を自由に発想し、豊かな創造性を育む機会を創出する。
採択年度:令和6年度