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2021.04.13 Tue

R2年度支援事業紹介:沖縄戦・ひめゆり学徒隊の歴史を海外に伝える展示プロジェクト(公益財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり平和祈念財団立ひめゆり平和祈念資料館付属ひめゆり平和研究所)

海を渡った「ひめゆり」のいま

 ひめゆり平和研究所では、今年度もハワイでの調査・展示会を予定していたが、コロナ禍により、国外への移動が困難な状況となってしまった。次年度(2021年度)に予定していたハワイでの展示会も見通しが立たないため、開催場所をひめゆり平和祈念資料館に切り替え、特別展として開催することにした。
 ひめゆりの塔周辺の敷地購入資金を寄付した人物がハワイの日系2世であることや、ひめゆり学徒隊引率者・唯一の女性教師がハワイ生まれであったり、元ひめゆり学徒隊の生存者やひめゆり学園の同窓生もハワイ移住していたりと、ひめゆりにとってハワイはとても縁が深い土地である。
 前年のハワイ調査で沖縄系の在住者を対象に行ったアンケートでは、ひめゆり学徒隊に対する認知度は6割程度(沖縄戦は9割)であったことがわかった。しかし一方で、ひめゆり学徒隊をテーマにした演劇やストーリーテリングなど、芸術的な継承活動が実施されている情報も新たに得ることができた。

 

新しい世代の新しい伝え方

 今年度はこれらの調査結果をもとに、海外の人々へ向けた沖縄戦・ひめゆり学徒隊の展示内容について、デザイナーを交えて検討し研究会議を行い、展示コンテンツを制作し、展示図録も完成した。
 また展示を教材として活用するため、海外向けオンライン教育プログラムの開発にも着手し、ハワイと沖縄の有識者を交えて積極的に開発会議を実施した。オンライン上での情報発信方法の構築については、バーチャルツアーなどを企画している県内外の類似施設とのオンライン会議を実施して意見交換を行い、ホームページ設計のプランニングなども進めていく。



デザインミーティングにて展示のアイデアを話し合う様子

 

担当プログラムオフィサーのコメント

戦後75年を迎えて戦争体験者がどんどん減少していく中で、沖縄戦のリアリティーは記憶から薄れ始めているような感覚さえあります。時代が移り変わる中で、ひめゆり研究所は、沖縄戦・ひめゆり学徒隊の歴史を次世代に、そして世界に伝えていくために、さまざまな表現方法を模索しながら、新たなことに挑戦し続けています。