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2021.04.13 Tue

R2年度支援事業紹介:アーティストと開発する社会教育プログラム(特定非営利活動法人 地域サポートわかさ)

ポストポスト部・ダンボール部・ユーチュー部の立ち上げ

 新型コロナウィルス感染症の流行という事態において、社会の不寛容さや差別といった地域社会の問題が顕在化し、地域コミュニティのあり方を見直す必要に迫られているいま、那覇市若狭公民館(指定管理:NPO法人地域サポートわかさ)では、新しい取り組みが始まった。それは、現代美術家の藤浩志氏がしかける地域の「部活動」の考え方を取り入れ、アーティストを顧問に迎え入れたユニークな部活動。多種多様な人々が差異を保ちながら関わり合い、学び合う「社会教育」の機能を「アート」によって強化し、地域コミュニティの再構築を試みる。この部活動により、地域内の膠着した関係性をゆるやかにつなぎ、地域コミュニティー形成の新たなモデルとなることを目指している。

 

顧問はアーティスト!

 毎週金曜日の夕方は、ポストポスト部のミーティングが開催される。美術家の平良亜弥氏を顧問として、地域にポストを設置し地域の方に手紙や作品の投函を呼びかける。部員はポストに投函された手紙の返信を考え、その内容を掲示板やWEBサイトにて公開する。返信の内容を皆で考える作業は、始終にぎやかに進んでいく。部員は手紙を投函した本人に直接返信するのではなく、手紙の返事を見る人全てに公開することにより、小さな変化を楽しむことを目的としている。 rubodan代表の儀間朝龍氏を顧問に迎えるダンボール部は、地域の廃ダンボールを自ら調達し、便箋やノート、ステッカー等を制作する。部員は若狭地域のビーチクリーンを行う「地球ハートクラブ」の子どもたちを中心に子どもから大人まで幅広い世代が一緒に活動している。ユーチュー部は映像作家の藤井光氏を顧問とし、映像の制作について学ぶ。部員は、在住外国人の方々を中心に撮影や編集を行い、活動を通して多様な背景を持った隣人の存在を伝える。作品はユーチュー部のWEBサイトにて公開する。各部活動は回数を重ね、徐々に部員同士の緩やかな関係が育まれている。また、2月には、地域にあるホテルで展覧会を開催し、各部の部員が成果発表に向けて協力して取り組んだ。

ユーチュー部のワークショップ

 

担当プログラムオフィサーのコメント

ダンボール部の部員は主に小学生ですが、ワークショップでは率先して顧問のお手伝いをしました。ポストポスト部は部員の密なやり取りが形となります。キャラクターのPくん、Pちゃんがパーラー公民館に出張するなど、コロナ禍でも人とのつながりを感じさせる部活です。ユーチュー部は映像制作を通して文化交流の場が生まれています。撮影隊の中には作品をコンクールに応募する班もありました。個性的な部活動、これからも目が離せません!