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2021.04.13 Tue

R2年度支援事業紹介:患者はアーティストになり得るか、職員はどうだ。~県北からアートで医療を後押しする~(医療とアートを考える会)

患者はアーティストになりうるか

 作業療法士とは、リハビリテーションに携わる医療従事者である。精神医療においては造形活動や手工芸をはじめとする作業療法を通じて、人々の日常の営みへの参加を支援するのがその役割だ。県内の精神科病院などに所属する作業療法士により設立された「医療とアートを考える会」は、前年度から全国各地の福祉事業所作業所におけるアート活動のリサーチに着手した。今年度は、より具体的な活動へとシフトしていく予定であったが、病院に勤務する医療従事者であることから活動を制限せざるを得ない状況となった。
 「医療とアートを考える会」は、精神科医療の過程で制作される作品をアートとして捉え直すことにより、医療従事者と患者の関係を再構築しうるという確証を得たという。病院の倉庫や資料室などに埋もれたまま眠っている大量のアート作品をアーカイブすることにより、個人の表現や関係性の変遷が見えてくる。カルテとは異なる生きざまそのものの記録として、生活支援の可能性を広げることにつながるのではないかと期待を寄せる。アーカイブ記録は今年度も写真集として発刊されたので、機会があれば手に取っていただきたい。


コロナ禍での活動

 新型コロナウイルス感染症の蔓延により活動がままならない状況ではあったが、今帰仁村歴史文化センターの「みんなのトイレ」をギャラリーに見立てたユニークな展覧会を3度にわたり実施。三者三様の表現は、芸術療法の枠を超える力作ばかりで好評を博した。
 他方、県外の視察は一部縮小せざるを得ず、限定的となった。また、予定していた新たなネットワーク構築先であったみずのき美術館視察や、砂連尾理 氏によるワークショップはZOOMを活用することで、なんとか実施にこぎつけることができた。




担当プログラムオフィサーのコメント

医療従事者グループのため、コロナ禍において事業の計画的な実施は非常に困難を極めました。事業内容の変更・縮小を余儀なくされましたが、可能な範囲で活動を着実に続けられたのは、強い意志があるからこそ。
独特の言い回しが楽しい「医療とアートを考える会」の情報は、Facebookで得ることができます。