2021.04.13 Tue
舞台芸術の届け方を考える
テアトロエスペランサプロジェクトは、いわゆる「リラックスパフォーマンス」の沖縄上演を目指したコンテンツ開発のために立ち上がった。しかしこのコロナ禍において、今までの「リラックス」の意味を改めて考え直すこととなった。
今年度はまずウェブフォームを活用して、芸術鑑賞会の実施について県内の小中学校や高校の教職員、その他舞台芸術に携わる実演団体や個人へのアンケートを実施した。またさらに詳しい話を聞くため、ヒアリング調査も行った。
学校関係者からは、「子どもたちにはさまざまなジャンルの芸術作品に触れる機会をつくりたいが、通常業務とのバランスが難しい」「団体を選ぶのが難しい。情報がない」「助成金は、書類作成などの手続きが煩雑に感じる」との声が多く挙がった。
実演団体同士の連携とコンテンツ開発に向けて
また、演劇や伝統芸能、バレエ、ミュージカルで活躍している実演家や舞台を支えるテクニカルチームからも、文化芸術と子どもたちそして学校や地域との関わりについて実践経験をレクチャーしてもらう機会を得た。劇団で全国公演を巡業していた経験や営業のノウハウ、相手先との信頼関係を築くコツ、学校現場に授業として伝統芸能が取り入れられた実例とその成果や課題、これからの実演家の在り方、琉球舞踊とバレエのフィジカルな共通点の発見、照明や音響から見た作品づくりと観客についてなど、多様な意見交換を行った。
コロナ禍で「リラックス」して鑑賞・体験できるプログラム開発にも着手しており、野外でのパフォーマンスの可能性についても模索中である。1 月の報告会では、試作品を映像資料として提示した。今後はこのパッケージの試演を、学校やデイケア施設などと協力して実施していく予定である。
担当プログラムオフィサーのコメント
「リラックスパフォーマンス」というと、障害を持つ特別にケアが必要な方々へ向けたものという印象がありますが、テアトロエスペランサプロジェクトでは自然環境をも生かしながら、身近に文化芸術があふれている沖縄ならではの「リラックスパフォーマンス」を模索中です。