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2021.04.13 Tue

R2年度支援事業紹介:沖縄出版文化の県内外及びアジアでの交流・連携ネットワークの構築事業(沖縄出版協会)

「沖縄出版協会」として2年目をスタート

 昨年、念願の「沖縄出版協会」を設立した。これまで版元の担当者1 人が独自でハンドリングしていた事業に関して、3つの委員会を設立し、それぞれの部門にて運営するようになったことで、活動やアイデアの幅も広がりを見せている。今年度は、新しい取り組みを本事業へ提案し採択された。その取り組みのひとつが若手の育成である。出版界では若手の担い手が少ないことを課題に挙げ、新たな出版人の創出と育成にも力を注いだ。
 今年度の大きな取り組みのひとつが、ジュンク堂那覇店における「おきなわ本フェア」。昨年度に引き続き、2回目の開催となった。会員版元の全てが参加した同フェアは、県内のみならず多くの沖縄本ファンのニーズに応えたイベントとして定着した感がある。フェアに付随したイベントも、コロナ禍の中、感染防止を心がけ、多くの人々の参加を得た。読書だけではなく、肌で感じ、目で読むイベントは好評を博した。
 コロナ禍の影響により、県外での「おきなわ本フェア」の開催が思うようにかなわず、見送りした案件もある。その中で開催できたのが、銀座わしたショップ本店とジュンク堂三宮店となる。銀座わしたショップ本店では首里城関連の2 冊を取り上げて、その背景の歴史を紹介する講座を開催した。ジュンク堂三宮店では、「おきなわ懐かし写真館 復帰前へようこそ」パネル展の他、沖縄本ソムリエによる「質問コーナー」を開設し、関西圏の沖縄本ファンの開拓を図った。
 「沖縄本」購入者の9 割は県内の需要である。県内でも新たなニーズの掘り起こしを期待して、書店との企画を模索した。制限がある中で開催したフェアでは、トークショーや展示パネルの反響もあり、口コミでの来場者も少しずつ増えているようであった。


次につながる取り組みを模索

 新しい客層にも「沖縄本」に触れやすい環境をつくるために、導入版として書籍の電子化や朗読等の動画の制作にも注力し、SNSやサイトの充実化を図った。イベントでもその動画を流し、「沖縄本」の楽しみ方を紹介した。アナウンサーの朗読だけでなく、作り手の想いや執筆者の解説もあり、ほっこりできる今までとはまた一味違った親しみやすい内容となっている。

ジュンク堂書店那覇店での「おきなわ本フェア」には、各版元がおススメする沖縄盆がズラリと並ぶ

担当プログラムオフィサーのコメント

今年度は「沖縄出版協会」として年目の活動をスタートし、組織の軸にあるつの委員会も主体的に動いています。「印刷技術も発達し、リトルプレスの発行もできる時代。出版協会でISBNを取得して、個人の出版を応援していけないか」など、30代の若手出版人からの新しい提案も出ているそうで、その様子を楽しそうに話す事務局長の呉屋栄治さんが印象に残りました。