特集記事 | かりゆし芸能公演
2025.08.12 特集

【公演前インタビュー 後編】
 8月17日「第4回 高校生選抜かりゆし芸能公演」

取材日:6月30日(月)
取材者及びライター:たまきまさみ

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 今年のインタビューは6人ということもあり、お話が盛り上がったことや話してもらったエピソードをできる限り届けたいという思いもあり、前編・後編でお届けしています。今回は後編・舞踊と三線のおふたりを分けての個別質問や、受賞が続いた比嘉さん、石垣さんにはさらに踏み込んだ質問をもとにお話していただいたところもあります。高校生選抜に向けてのインタビュー、後編もぜひお楽しみください。



個別質問【石垣さん、當山さん】

‐学業と芸能を両立する中で、挫折しそうになったことや心に残っている出来事はありますか。

石垣さん:特に挫折しそうになったことはないのですが、踊りの舞台の次の日に中間テストだったことがあり、その時のテストの結果が前回よりもよかったので、ひとつのことを頑張るとまた別のことも同じように頑張ることができると思いました。

當山さん:コンクールの時期の練習はキツかったです。踊りと向き合う分、満足のいく踊りができなくなったり、うまくいかないことが続いて嫌になったりすることもありました。ですが、やっぱり踊ることが大好きなので、それで頑張ろうと思えました。舞台後の達成感を味わった時、楽しい、もっと踊りたいという気持ちが湧いて、さらに踊ることが好きになりました。その経験を経て、うまくいかなくて嫌になっても初心に帰ることは大事だな、続けてきてよかったと思いました。

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個別質問【比嘉さん、當眞さん

-ソロコンテストで金賞〔学長賞〕を受賞した際、どのような心情でしたか

比嘉さん::3年連続で金賞を受賞できたことが、とてもうれしかったです!!この2年間は師匠のご指導のもと、所作や工工四の聲記号に基づいて自分なりの表現を追求し、どうすれば聴いている人に歌詞の意味や感情が伝わるかを常に考えて演奏してきました。今までやってきたことには自信があり、不安というよりも「伝わってほしい」という思いのほうが強かったです。金賞という評価をいただいたことで、自分の表現がしっかり届いたのだと実感し、努力が報われたような気持ちになりました。

當眞さん:金賞を受賞した時は、本当に信じられない気持ちでした。これまで稽古してきた努力が報われたことへの喜びと、支えてくれた先生や仲間、家族への感謝の気持ちで胸がいっぱいでした。また『もっと上を目指して頑張りたい』という新たな目標も生まれました。



個別質問【當山さん、當眞さん】

‐高校生選抜かりゆし芸能公演や、ソロコンテストは高校生にとってどのような存在ですか。

當山さん:やっぱり高校の部活とか郷土芸能部とか文化コースをやっている人が多いけど、ソロコンは学校から4人しか受けられないというのもあって、校内オーディションがあるんですけど。1年生の時から出たかったけど落ちてしまい、2年生の時に初めて出て3年も受けることができたんですけど。やっぱり1年生の時から憧れの舞台というか、先輩たちや金賞を取った人たちが高校生選抜に出ているのを見て、私も金賞を取って公演にも出てみたいなというのがあったので、金賞を取って立てるので夢が叶ったみたいな感じです。そういう憧れの舞台だなと思います。高校生選抜は高校生になって知ったので、最初はどういうものかわからなかったけれど、先輩たちが出演する時に補助員とかやって見ていたので、あの舞台に立ちたいなという強い思いと憧れの気持ちがありました。

當眞さん:ソロコンの時はこれまで一人で歌うことがまずなくて、どのぐらい自分の力を出せるんだろうというのもあったし、やっぱり成長する一歩というかきっかけを与えてくれたものでした。普段は仲間と一緒に舞台に立って歌うというのがほとんどだけど、ソロコンは一人で演奏を披露するので、全ての責任というか自分でやらないといけないというのが一番大きくて、自分の強みや弱みを見つめ直す機会にもなったかなと思います。高校生選抜は、やっぱり金賞を受賞した人たちしか出られないということで特別なので、金賞を取れてよかったというのもあるし、芸大の先輩方と一緒に舞台に立つことは一度しかできないと思っているので、一生に一度の舞台を絶対に成功させたいという思いがあります。



個別質問【當山さん、當眞さん】

‐高校生選抜かりゆし芸能公演や、ソロコンテストは高校生にとってどのような存在ですか。

當山さん:やっぱり高校の部活とか郷土芸能部とか文化コースをやっている人が多いけど、ソロコンは学校から4人しか受けられないというのもあって、校内オーディションがあるんですけど。1年生の時から出たかったけど落ちてしまい、2年生の時に初めて出て3年も受けることができたんですけど。やっぱり1年生の時から憧れの舞台というか、先輩たちや金賞を取った人たちが高校生選抜に出ているのを見て、私も金賞を取って公演にも出てみたいなというのがあったので、金賞を取って立てるので夢が叶ったみたいな感じです。そういう憧れの舞台だなと思います。高校生選抜は高校生になって知ったので、最初はどういうものかわからなかったけれど、先輩たちが出演する時に補助員とかやって見ていたので、あの舞台に立ちたいなという強い思いと憧れの気持ちがありました。

當眞さん:ソロコンの時はこれまで一人で歌うことがまずなくて、どのぐらい自分の力を出せるんだろうというのもあったし、やっぱり成長する一歩というかきっかけを与えてくれたものでした。普段は仲間と一緒に舞台に立って歌うというのがほとんどだけど、ソロコンは一人で演奏を披露するので、全ての責任というか自分でやらないといけないというのが一番大きくて、自分の強みや弱みを見つめ直す機会にもなったかなと思います。高校生選抜は、やっぱり金賞を受賞した人たちしか出られないということで特別なので、金賞を取れてよかったというのもあるし、芸大の先輩方と一緒に舞台に立つことは一度しかできないと思っているので、一生に一度の舞台を絶対に成功させたいという思いがあります。



個別質問【﨑原さん、外間さん】

‐第4回高校生選抜かりゆし芸能公演を、一番誰に見てもらいたいですか。

﨑原さん:一番見てもらいたいのは多忙な中、丁寧にわかりやすくご指導してくださった師匠とそばでサポートしてくれた家族、いつも応援してくれた多くの友達です!そして、天国で見守ってくれているおじいちゃんとおばあちゃんにも見てもらいたいです。

外間さん:僕が一番見せたいのは、家族です!家族の中でも母に一番見せたいです!南風原高校で古典を習ってきて、ここまで上手になったよー!という発表の場にしたいなと思っています!!また、これまでの感謝の気持ちも込めて歌いたいと思っています!!

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個別質問【﨑原さん、外間さん】

-今後の芸能の発展のために、若い世代としてどのようなことができると思いますか

﨑原さん:私は高校生から琉球舞踊を始めたので、できることは少ないんですけど。琉球舞踊について伝えることだったり楽しさだったり、文化の継承なども含めて地域の人やもっと多くの人に知ってもらうために南風原高校にいるうちにできることや、初心者だからこそやる気があれば今からでも遅くないということとか、もっと多くの人に伝えたいという気持ちがあればできるんだよということを、知ってもらう役割ができたらなと思っています。
 実際にできそうなことは、南風原高校は小学校に行って組踊を演舞したり、幼稚園に行って獅子舞を見せたり、南風原高校のテーマソングみたいなものを踊ったりして幼稚園生や小学生と交流したりという取り組みがあるので、その交流をもっと増やしたりとか。私のお母さんが与那国でお父さんはやんばるとそれぞれ遠くの地域なので、いずれ実演家になったらルーツのある場所でふるさと公演とかで、もっと多くの人に知ってもらえるようにしたいです。

外間さん:南風原高校の郷土文化コースには、三線や踊りとかエイサーに興味があるという人がやっぱり入学してくるじゃないですか。だけど小学校とか中学校って意外とまわりはみんな芸能のことをあまり知らなくて、箏って何みたいな感じで。三線は結構メジャーなのでわかるんですけど、琉球舞踊はちょっとしかわからないとかなので、やっぱり今すぐできることと言ったら、堅苦しい演舞ではなく軽くでもいいから「箏ってこんな感じの楽器でこんな音だよ」というのを友達や身近な人から伝えていって、どんどん広めていったらいいのかなと思います。
 SNS活動で実演家として両立してやっている方もいるんですけど、SNSはやっぱり名がまず広く知られていないといけない上に、ネットはやっぱり見てもらう人を増やすのは難しいなと思っています。だから直近でできることとなると、中学校の時の同級生とかにおうちで遊ぶ時にも、ちょっとでもいいので箏を演奏するとやっぱり興味を持ってくれるし、そこからもしかしたらやりたいという子が出てくるかもしれないので。そうなったら将来もし僕が教師免許とか取ったら、友達とかにもバンバンやらせていきたいなと思っています。



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個別質問【比嘉さん】

‐3年連続の金賞入賞と2年連続学長賞ですが、ソロコンテストを終えて高校生選抜かりゆし芸能公演を控えて思うことはありますか。

 ソロコンを1年の時に受けた時は、ただそういうコンテストがあるんだという感じで、とりあえず応募して受けたという感じだったんですけど。金賞を取れたのがとてもうれしくて、高校生選抜に出た時に芸大の先輩方と関わったりまわりの高校生の存在を知ったりして、こんなにたくさん僕たちぐらいの若い人たちにも芸能をやっている人がいっぱいいるんだというのを知って、もっと頑張ろうと思えました。そこからは来年に向けて、絶対に次は上の賞に入りたいと思って稽古するようになって、ソロコンによって技術もどんどん上達していったので、存在自体がすごいためになったなと感じました。これから僕が国立劇場の舞台で独唱したり三線を弾いたりすることはできないかもしれないので、それを踏まえた上で、高校生選抜では今までのものを全て出し切って、その舞台を噛み締めながら弾けたらいいなと思っています。

‐ソロコンテストで金賞を受賞したり高校生選抜かりゆし芸能公演に出演したりしている比嘉さんについて、まわりの友達や先生からどのような反応がありましたか。

 金賞を取ったことにすごいびっくりしていて、金賞ってすごいねみたいな。でも、まわりは琉球芸能をあまり知らない人たちが多いので「これってどういうコンテストなの?」という感じで、みんないろいろ疑問に思ったりするのでその説明をしたり、その説明に対して琉球芸能にも興味を持ってくれて公演も見に来てくれたりすることもありました。



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個別質問【石垣さん】

‐去年は三線、今年は舞踊で学長賞を受賞されましたが、今どのように感じていますか。

 やっぱり一つは三線で学長賞を取って、また次の年に金賞を取るというのは続いているので、また頑張って練習すれば取れると思っているんですけど。今回は琉舞で挑戦して大丈夫かなーと思ってはいたものの、やっぱり三線をやっていたからこそ、歌詞の意味とかもわかっていたので、三線も舞踊に生かすことができて両方で金賞、芸大学長賞を取ることができてとてもうれしいです。

‐三線と舞踊、それぞれの魅力や難しさをどう感じていますか。

 三線も舞踊も古典は型というものがあって、やっぱり自分で弾くと時々癖がついちゃうんですよ。その癖とかも直さないといけないのも難しいものがあるんですけど。三線もいろんな面で細かいところが難しくて、ばち捌きだったり、三線の弦の大きさや抑揚だったり細かいところがあって、琉球舞踊も摺り足からがまくの使い方や目線だったりとやっぱりどちらもそれぞれ細かいところがあるんですね。ただこれから実演家としてやっていく上では、細かいところもどんどん深く掘っていっても辿り着かないぐらい、いずれ先生になってもこれはずっと研究し続けられる芸能だと思っています。そこは終わりがないという魅力でもあります。





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プロフィール

prof_01.jpg石垣正成(いしがき まさき)
沖縄県立南風原高等学校3年。
第13回沖縄県高校生郷土芸能ソロコンテスト 舞踊部門、県立芸大学長賞。
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prof_02.jpg﨑原裕絢(さきはら ゆりあ)
沖縄県立南風原高等学校3年。
第13回沖縄県高校生郷土芸能ソロコンテスト 舞踊部門、高文連会長賞。
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prof_03.jpg當眞愛乃(とうま あいの)
沖縄県立南風原高等学校3年。
第13回沖縄県高校生郷土芸能ソロコンテスト 三線部門、県立芸大学長賞。
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prof_03.jpg當山紗良(とうやま さら)
沖縄県立南風原高等学校3年。
第13回沖縄県高校生郷土芸能ソロコンテスト 舞踊部門、県立芸大学長賞。
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prof_03.jpg比嘉一朴(ひが かずなお)
沖縄県立那覇国際高等学校3年。
第13回沖縄県高校生郷土芸能ソロコンテスト 三線部門、県立芸大学長賞。
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prof_03.jpg外間凪琉(ほかま なぎる)
沖縄県立南風原高等学校3年。
第13回沖縄県高校生郷土芸能ソロコンテスト 三線部門、高文連会長賞。
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