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2020.11.25 Wed

支援事業紹介:移動式屋台型公民館を活用した地域住民主体の『つどう・まなぶ・むすぶ』創造拠点創出事業(特定非営利活動法人 地域サポートわかさ)

全国の公民館関係者から注目された「パーラー公民館」

那覇市若狭公民館(指定管理:NPO 法人地域サポートわかさ)に、「曙に公民館がほしい」と相談が寄せられたことから本事業が始まった。曙地区は、最寄りの若狭公民館まで、大人の足でも 1 時間と離れており、公民館や図書館などの公共施設が無いエリアだ。その要望を受けて、公民館の3つの機能「つどう・まなぶ・むすぶ」を実践する取り組みを、あけぼの公園を拠点に行うことになった。

拠点の設計と監修に、美術家の小山田徹氏を迎え、平成 29 年の夏、黒板テーブルにパラソルを立てた移動式公民館がお披露目された。戦後の青空公民館と、屋台のパーラーを組み合わせ、「パーラー公民館」と名付けられた。全国の公民館関係者から注目を浴びるまで、そう時間はかからなかった。

「なにもしない」からこそ生まれた自発的な活動

パーラー公民館の目的は、地域住民の自主的、主体的な活動を育むことにある。パーラー公民館のスタッフは、基本的には「なにもしない」。地域の方々が、つどう場を設けることに注力した。とはいえ、ただ「なにもしない」わけではない。地域の方々の活動の参考となるようなワークショップを開催し、地域連携のきっかけを提案した。当初、困惑していた人たちも、おのずと公民館活動に協働して取り組むようになった。

パーラー公民館は、今年度で終了となる。実は、パーラー公民館は、計画段階から継続を目的としていない。パーラー公民館があり続けることで、地域の自発的な活動が生まれてこない懸念があったからだ。どう終わりを迎えるかが、活動のカギ
でもある。

地域の方々から、閉館を惜しむ声があがる。だが、残念がる声ばかりではない。既に、まちづくり協議会や子ども食堂の方々が率先し、その存続方法を模索し始めている。

作曲家の鶴見幸代氏による歌づくりワークショップ

担当プログラムオフィサーのコメント

あけぼの公園では、下は幼児から上は高校生まで、男女問わず、子どもたちが大人数で一緒に遊ぶ風景をよく見かけます。鬼ごっこでも何でも全員が遊べる工夫をしながら器用に遊ぶのです。曙の子たちは、人見知りもせず、「のど乾いた」「折り紙ない?」と、スタッフに話しかけます。高齢者の話に耳を傾ける子どもの姿も印象的。「なにもしない」ことが、こうしたつながりづくりに役立っているのがわかります。

曙で育ったことを誇りに思ってほしいと願う、地域の方々の想いが活動を支えました。パーラー公民館がきっかけで生まれた地域の方々の自発的な活動は、これからもきっと続いていくことでしょう。。