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2020.11.25 Wed

支援事業紹介:琉球料理をツールとして、沖縄の魅力を国内外に発信できる子どもたちを育成するプロジェクト(RYUKYU カマDo!プロジェクト)

子どもたちが地元の食文化を学び、料理を作り、情報を発信できるように

琉球料理は、独自性をもった食文化の一つである。しかし近年、食生活の欧米化などの影響を受け、琉球料理離れが加速している。そこで危機感をもった有志が集い、琉球料理普及継承を目的とした委員会を設立した。現在、委員会で「カマDo!塾」の企画、運営を進めている。

カマ Do!塾の目標は、子どもたちが琉球料理の文化背景を知った上で、一品だけでもきちんと作れるようになり、食を通して沖縄の魅力を国内外に発信できる人材を育てることである。また、昨年に「アイスブレイク」「講座」「調理」「アウトプット」という一連の流れを確立し、講座の対象を小中学生としている。講座の内容について本年度は、6月に「県産食材を英語で伝える」異文化交流、9月は「物流と地産地消」をテーマに生活協同組合コープおきなわの倉庫見学を行った。

2月は琉球歴史研究家の賀数仁然さんを講師に招き、おもてなしの心を知り、料理をする「うとぅいむち講座」を開催した。各講座それぞれ違った視点から食文化について学ぶ機会を創出している。

カマDo!塾のこれから

本年度はカマDo!塾の自走化を見据え、広報・告知活動、企業向け・個人向けの賛助会員制度の構築に向けて活動している。昨年まで無料開講していた塾の参加費を設定し、広報では琉球朝日放送の番組「十時茶(ジュージヂャー)まで待てない」にて、カマDo!塾に参加している子どもたちが活動報告を行った。

ほかに中城村と共催で人参収穫体験を開催。企業からの協賛も多く、沖縄ガスから会場や施設の提供、沖縄食糧や生活協同組合コープおきなわからはスタッフや食材の提供など、手厚い支援もいただき、今後はさらに企業連携を進めていく。

これからも引き続き企業その他さまざまな地域・団体と連携し、活躍の場を広げてゆく。

子どもたちが作るごはんを前に感動の保護者たち

担当プログラムオフィサーのコメント

「鶏肉が外国から来てるの?」「冷蔵庫でかい!」「宮廷料理って品数が多すぎて食べきれない!」「ちんぬくジューシーって何?」 カマ Do!塾は、毎回子どもたちの疑問と驚きの声であふれています。

琉球王国の外交の歴史や冊封使のおもてなしの宴、高温多湿の気候風土に対応するための知恵など、食文化を通して多角的に沖縄文化を学ぶことができるカマ Do!塾は、子どもたちにとって多くの「発見の場」になっていることを実感します。

最終年度を迎え、本事業の今後の継続に向けて、企業との連携も視野に入れた模索が続いています。食から沖縄の歴史・文化を学んだ子どもたち、この経験が大人になってから生きてくることでしょう。