2020.10.01 Thu
県内ミュージシャンの活動の場を広げるために
アジア各国で開催されているショーケース型の音楽フェスは、多くのミュージシャンが次のステップの足掛かりとして参加し、大変な賑わいとなっている。県内で同様の役割を担う場として、クランク(Music from Okinawaと桜坂劇場を運営)が運営する「Sakurazaka ASYLUM」があり、相乗効果を期待して同時期に開催する音楽国際会議「トランス・アジア・ミュージック・ミーティング(以下、TAMM)」がある。本事業を活用して、ヒアリングなどを通じてネットワークを構築したアジア各国の音楽プロデューサーなど、現場で活躍する方々を招聘し、それぞれの専門性と経験を共有する。さらに県内ミュージシャンなどに対し、プレゼンテーションやマッチングの場を設定し、具体的な海外進出のためのアドバイスや販路拡大についてげることを狙う。
現場で活躍する音楽プロデューサーたちが沖縄に一同集合!
今年度は夏にもTAMMを開催し、アジアに向けた音楽発信や交流を行う日本人プロデューサーなどを中心としたカンファレンスを実施。共通の課題も多く、より深い議論を展開した。2月22日、23日には「TAMM2020」を開催。これまで構築してきた幅広いネットワークを示す豪華なメンバーが世界各国から沖縄に集まり、具体的な課題について話し合った。
TAMMの回数を重ねることで、沖縄の音楽シーンは少しずつだがアジア各地でも認知されるようになってきた。さらに若手ミュージシャンが積極的に海外のコンペティションに応募する動きも出てきた。アジアの音楽シーンはメジャー、インディーズに関わらず熱を帯びており、自国をでて国際的に活動するバンドも目立ってきている。そうした中で独自のルートを持つことは非常に重要で、本事業を通して培ってきたネットワークは、大きな可能性を持ち、今後も継続されていく。
写真:(上)TAMMの登壇者たち
(下)参加したLUCfest(台湾)でのネットワーク・ミーティング
担当プログラムオフィサーのコメント
アジア諸国と距離がとても近く、環境も似ている沖縄。LCCを活用すれば交通費も安く抑えられ、アジアの勢いある新しい表現に出会う場として非常によい立地です。インターネットで情報を収集することは容易ですが、やはり百聞は一見にしかず。このような場で直接刺激を受け、課題が共有され、興味のきっかけを作ることができるのは、とても重要。実際にASYLUMやTAMMでの出会いから海外展開が決まったミュージシャンが数組出てきたことにより、同世代の若いミュージシャンたちがそれぞれ海外を意識するようなことも。相乗効果によって、県内の音楽表現がより多層的に、活発になっているように思うのは、この事業が大きな役割を担っているからといえます。