2020.10.01 Thu
映画から学ぶ「感情」を表すボキャブラリーの大切さ
ククルビジョンが主催する「こども国際映画祭in沖縄<KIFFO>」は今年で6回目を迎えた。「映画はココロの栄養だ!」をコンセプトとして、多感な子どもの頃に、映画を通し世界を知ってもらいたいとの思いで実施する地域密着型の映画祭である。今年度は本補助事業を通して、映画祭の課題として常に残っていた「映画を通じた異文化理解や、自己および他者理解の場」を増やした。まず、映画の定期上映会後に「感想を語る会(おしゃべり会)」を開催し、子どもたちの感想を引き出す時間を設け、語り合うことの面白さ、楽しさを実感してもらう。さまざまな感情を学ぶ絶好の機会である映画鑑賞を「面白かった」「楽しかった」で終わらせるのではなく、どう感じたのかを表現するスキル向上は子どもだけでなく大人にとっても大切だ。ククルビジョンは合わせて大人のボランティアのための講座も開催。初対面の子どもたちでも、恥ずかしがらずに自由な意見を言い合える場になるよう、アクティブ・ラーニング専門の講師を招きファシリテーションスキルを習得した。
沖縄の才能を育てる子ども司会育成と吹き替え事業
60秒動画コンテストの「こども審査員」や上映会の「こども司会」を公募し、決定した審査員や司会はその役割に学び、成果発表まで主体的に練習を行った。
海外作品の吹き替え事業では、声優の選定時から制作まで、プロとして活躍する声優・矢島晶子さんを迎えることで、声優の研鑽の場を設けた。沖縄県内には優秀な声優が多いものの活躍の場は少ない。その現状を変えるため、活躍と育成の場を創出している。
写真:(上)こども審査員による60秒動画コンテストの発表
(下)映画の吹き替えでは、矢島晶子さんと県内の声優が共演
担当プログラムオフィサーのコメント
定期上映会後のおしゃべり会では、まず四コマ漫画風のワークシートに自分が一番印象に残ったシーンを絵で描き出し、その後そのシーンについて感じたこと気づいたことを発表します。なかにはうまく言葉が見つからずにジェスチャーで表現する子や照れてしまう子もいましたが、大人も交えて皆でその場を共有することが一人ひとりの貴重な体験となります。吹き替え事業では、字幕が読めない、ちいなさ子どもにも良質の映画を届けたいという思いがあります。アフレコ収録は矢島さんのアドバイスが極めて丁寧で、息遣いや役者の心情、声色など、専門的な技術を学べる貴重な体験の場となっていました。