2020.11.25 Wed
演劇をつかったコミュニケーションワークショップ
TEAM SPOT JUMBLE(以下、TSJ)は、簡単なシアターゲームや創作を通してコミュニケーションを促すことのできる演劇ワークショップを用いて、社会問題や課題解決に役立てるよう、プログラムを開発している。進行役の「ファシリテーター」は、参加者が自ら気づき、学べるようにサポートし、時には一緒に悩みながら、よりよい話し合いができるように働きかけていく。
TSJ は、本補助事業の前身である「沖縄文化活性化・創造発信支援事業」の支援を受け、ファシリテーター養成に取り組んだ。
その人材を活かし、本事業ではさまざまな分野でのプログラム研究・開発を実施。今年度は、研究・開発や先行事例の視察・研修に積極的に参加するとともに、これまでの事例や実施内容をもとに、紹介リーフレットを作成、ホームページもリニューアルして、情報発信・周知活動にも力を入れた。
「教育」「社会福祉」「離島・地域」「企業の人材育成」の分野でプログラムを開発
小中学校でのリーダー研修、特別支援学級、離島地域や高齢者向け、子どもたちと大人が一緒に参加できるものなど、多岐にわたる内容で演劇ワークショップの研究・開発を進めた。県外私立中学高等学校と共同開発したワークショップは、実際の修学旅行で体験メニューとして実施した。
聴覚障害を持つ方々ともワークショップを企画。経営コンサルタントからレクチャーを受け、研究・開発を進めている企業向けプログラムは、企業側のニーズや、アプローチのタイミングなど、新たな課題がみられた。
プログラムのブラッシュアップのために、県外の先行事例の視察・研修にも積極的に参加。今年度は、九州大学で行われた演劇と社会包摂の制作実践講座や、NPO 法人が主催する脳性麻痺の役者の皆さんと、食事・トイレ介助、車椅子への移乗などを実践しながら共に演劇作品をつくるワークショップに参加。また、ファシリテート技術の向上のために、日本劇団協議会が主催するエデュケーションワークショップにも参加した。
担当プログラムオフィサーのコメント
TSJ の皆さんは、プログラムごとに研究・試作・実施・ふり返りをくり返し、試行錯誤しながらワークショップを生み出しています。
そうやって、地域や団体ごとの特色や課題に合わせた内容となったワークショップは、演劇のさまざまな可能性を提示してくれます。子どもたちと大人が一緒に作品をつくることで異世代間交流のコミュニケーションが生まれたり、障害のあるなしに関わらず、言葉を越えた会話ができるようになったりするのです。
これらの貴重な経験は、今後の取り組みにも生かされていくことでしょう。