2020.10.06 Tue
沖縄県の出版活動は他県に比較してとてもユニークで、出版ジャンルも伝統料理や行事、歴史、文化などと幅広く、沖縄の多様な生活文化同様、「沖縄県産本」も非常に多彩である。
本補助事業で行っているのは、その多様な沖縄本の出版を東アジアへ発信するとともに、翻訳出版を促していこうという取り組みである。実施する内容は4つ。
①東アジア会議の沖縄での開催
②台北国際ブックフェアへの出展
③各出版社の書籍情報を一同にまとめたプラットフォーム(web)の構築
④県産本の販促イベント開催
となる。3年間の継続的な取り組みにより、中国や韓国などの東アジアにてつながりが生まれている。
「沖縄出版協会」の設立が平成 31 年 3 月に実現した。
県内の出版社の数は、人口比に対して多く存在しているといわれているが、1 ~ 2 名での運営体制である零細企業がほとんどである。
沖縄出版協会を設立するということは、1 社では厳しい環境づくりを、複数社が集まって出版業界自ら発信できる環境づくりが可能となるということだ。
協会では、取り組みの方向性をしっかりと検討できるように、「企画・事業委員会」、「流通・産業振興協会」、「渉外・広報委員会」の委員会を設け、役割分担を明確にした。
早速、委員会で検討した内容により、次年度の県外展開のための事業も計画している。実動にともなった動きとしては、県外物産展、イベントと連動した沖縄本の販売があげられる。
このように、県産本の流通のあり方や広報などをどうするか、それぞれの経験から知恵を絞り、実際に稼働していることは、着実に次のステップにつながっている。
写真:県庁記者クラブにて沖縄出版協会設立の報告
担当プログラムオフィサーのコメント
「沖縄の出版文化を通じた東アジアへの事業展開の推進」は、本補助事業活用から3年目になります。
東アジア出版人会議に参加し東アジアへの流通の足掛かりを得たこと、台北国際ブックフェアにて4つの県産本の翻訳出版へつないだこと、沖縄時事出版が担ってきた事務局を沖縄出版協会として稼働させたことは、本事業において非常に大きな成果と感じています。
協会の設立にともない、事務局には沖縄時事出版の呉屋さんのほか、琉球プロジェクトの仲村渠さん、ジグゼコミュニケーションズの我那覇さんが新たに加わりました。
県外への流通の確保など、新しい視点で新たな活動にもつながっている今、東アジアへの地道な活動とあわせて、県外での沖縄本の認知向上など、さらなる躍進を期待しています。