職員からのメッセージ|棚原 健太(文化専門員)

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Q1.どんな学生生活を過ごしましたか?

とにかく、三線漬けの毎日でした。
大学2年の時に、国立劇場おきなわ組踊研修生となり、日中は大学で三線の実技や稽古に励み、夕方以降には劇場に通って組踊の技芸を学んでいました。

週末は舞台の本番や民謡居酒屋で三線演奏アルバイト、三線体験会講師を務めたりと、「学生時代=三線」の記憶があります。就職活動も全く取り組んでいませんでした。

Q2.沖縄県文化振興会を選んだ理由を教えてください

大学院2年の時に学内で開催された企業合同説明会に参加した際、初めて振興会のことについて知りました。芸能や芸術に関わる事業があったり、大学の先輩が勤務していることもあって興味はありました。

驚いたのが、他の企業ブースの担当者はスーツを着ていましたが、振興会の担当者はとてもフランクな服装だったことです。「職場にスーツで来ている人なんていない!個性的な人たちばっかりだよ」と聞いたときには、なんだか親近感が湧いたのを覚えています。

もともと文化や芸術関係の仕事に携わりたいと思っていたので、その型にはまらないイメージに魅力を感じ、就職を希望しました。

Q3.現在の仕事内容を教えてください

私は文化専門員という職種で、主な業務としては事業の進捗および予算管理、沖縄県との調整、文化芸術団体への補助金支援、事業終了後の決算処理などを行っています。

Q4.どんな職員がいますか?

職員にはいろーんな方がいるんです。
文化支援のプロフェッショナルはもちろん、元テレビ番組制作会社のプロデューサー、空間デザイナー、元ライター、元マネージャー、元美術教師、現役の舞踊家や舞台監督まで。
また、文化以外のことでも皆さん物知りで、毎日たくさん新しい情報が得られます(笑)

Q5.仕事中、大切にしていることはなんですか?

大切にしていることは、「沖縄の文化振興に貢献すること」です。
どんなに小さく細かい仕事でも、そういうひとつひとつの積み重ねが沖縄の文化振興に繋がっていくと思っています。
大きな目的が明確になっていると、自然と仕事も楽しくなります。

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Q6.あなたの専門知識が仕事で活きたと実感したことはありますか?具体的に教えてください

昨年度は「文化観光戦略推進事業」の担当をしていました。
沖縄の芸能を武器に観光誘客を図る事業で、主に観光客向けの芸能公演のプロモーションを仕事としていました。

県外の旅行社で芸能公演をご紹介する機会があったのですが、舞台作品の魅力を伝える際には琉球芸能の見どころも一緒にご紹介できましたし、三線の演奏も行ったところ非常に喜んでくださいました。

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時折、「芸大に行っても将来が不安定」と耳にしますが、大学で学んだ知識や技術は決して無駄ではないと思っています。今の職場ではその知識が大いに活きる局面に恵まれていると思います。

Q7.芸術活動は続けていますか?

基本的に土日祝祭日は休みですので、時間を上手く活用しながら続けています。
残業も他の企業に比べると比較的少ない印象です。

学生時代のように芸術活動にフルコミットできないものの、だからこそ限られた時間を大切にできています。職場の皆さんも非常に理解があり、感謝しています。

支援する立場と活動する立場の両方の視点で自身の芸術活動を捉えることができるので、考え方も広がりました。

Q8.学生のみなさんへのメッセージをお願いします

まずは、今のうちに学生生活を思いっきり楽しむことです!
同時に、私から伝えたいことは「環境や立場が人をつくる」ということです。

人生は1度きりです。この先どういう自分になりたいか改めて考えてみてはどうでしょうか。私自身、この先も芸術活動は続けていくつもりですし、振興会はその通過点には欠かせない環境(職場)です。

ただでさえ積極的な就職活動も難しいご時世ではありますが、長い目標から逆算した就職活動も良いかもしれません。
皆さんのこれからのご活躍を応援しています。

棚原 健太(たなはら けんた)
公益財団法人 沖縄県文化振興会 文化芸術推進課
文化専門員

1993年6月生まれ。沖縄県出身。
沖縄県立芸術大学音楽学部琉球芸能専攻卒業、同大学院卒業。
文化専門員として働く傍ら、琉球芸能の実演活動も行っている。

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