首里城焼失に関する当会理事長のコメント

 令和元年10月31日未明に発生した火災により、首里城正殿を含む周辺の建物や収納されていた貴重な美術工芸品等が焼失しました。

 独自の文化を育み、固有の歴史を歩んできた沖縄の象徴である首里城の消失は、私たち県民にとって深い悲しみであるだけでなく、国内外の沖縄に心を寄せる人々にも大きな衝撃を与えています。

 (公財)沖縄県文化振興会は、平成5年の設立以来、沖縄県の文化の発展と振興を目的に様々な事業に取り組んできたところであり、特に「かりゆし芸能公演」として親しまれている伝統芸能公演事業では、次世代へ伝統芸能を継承する多くの芸能団体を支援してきました。特に今年は、首里城で組踊が初めて上演されてから300周年の記念の年であり、かりゆし芸能公演でも組踊公演を例年以上に支援しているところでした。組踊をはじめ、今に伝わる沖縄の伝統文化の発祥の地ともいえる首里城の被害は、当財団にとりましても、大きな支えを失ったようでまことに残念でなりません。

 一方で、火災の直後から、地元の自治会や首里にキャンパスがある県立芸術大学の学生や卒業生を中心とした若者が、再建に向けた募金活動のため、芸能イベントを企画し実行するなど、各地で支援に向けた様々な取り組みが行われています。先日は、国際通りにおいて、当財団が事務局を担う世界エイサー大会実行委員会のメンバーの呼びかけで、創作エイサー等のチームが集まりエイサー交流演舞祭を開催し、そこでも募金活動が行われました。観光客をはじめ多くの観客から首里城再建に向けた支援金が寄せられました。当日は、中国福建省の大学エイサーチームも参加し演舞祭を盛り上げていました。

 このように、県内はもとより国内、海外へも支援の輪が広まっていることは、大変ありがたいことであり、当財団としましても、一日も早い首里城再建の一助となるよう、募金活動を実施していくこととなりました。当分の間、当財団が主催する「かりゆし芸能公演」をはじめ、「沖縄芸能DAYS2019」の公演会場において、出演団体のご理解をいただきながら受付に募金箱を設置していくこととしております。多くの皆様に会場に足を運んでいただき、公演をお楽しみいただきながら募金にご協力いただければ幸いです。

 今後とも、当財団の事業および県民の誇りである首里城の早期再建に向けた取り組みに、何卒、ご理解、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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